[geometry-ml:06208] オンライン連続講義のお知らせ
shinichiroh @ math.nagoya-u.ac.jp
shinichiroh @ math.nagoya-u.ac.jp
2025年 4月 18日 (金) 09:45:32 JST
メーリングリストの皆様,
京都大学の窪田陽介さんによるオンライン連続講義があります.
皆様のご参加を歓迎いたします.興味のありそうな方にも自由にご紹介ください.
初回 5月19日(月) 18:30--20:00
https://us02web.zoom.us/j/85829894100?pwd=2QoyCODo8x7NRzYQp20UEEnespkoxk.1
"Stable homotopy theory of invertible quantum spin systems"
要旨:
Kitaevの提案(あるいはOmega-spectrum予想)とは,「d次元Euclid空間上の可逆なトポロジカル相のなす集合はOmega-spectrumをなす」という,狭義には格子上のスピン系に対する主張である.この提案は,自由フェルミオンがK理論によって分類されることを手本としており,物理的には主に対称性に保護されたトポロジカル相の研究に動機づけられている.これはKitaevの2013年以降の講演の中で繰り返し主張されてきたもので,説得力ある議論によって既に広く受け入れられ,分野に大きな影響を与えている.その一方で,数学的に厳密な定式化・証明は存在しない状態が続いていた.この部分を埋めた研究
https://arxiv.org/abs/2503.12618 についての解説を行う. 状況が許せば,上urlのプレプリントのSections
6, 7で導入した,localization flowの概念についても解説したい.Kitaevの提案は,実はcoarse
geometryの枠組と親和性が高い.このことを利用して,coarse
geometryにおけるいくつかの手法をスピン系に輸入できる.そのひとつがlocalization
flowで,KitaevのOmega-spectrumが与える一般ホモロジー関手の具体的なモデルを与える.また,この概念を用いることでBaum-Connes予想のスピン系版を定式化でき,結晶対称性を持つ可逆トポロジカル相の分類に対して応用がある.
概ね以下の順に,1時間程度の解説を複数回にわたって行う予定である.
1. 基礎となる概念の定義
2. Kitaevの提案の証明の流れ
3. Kitaevの提案の帰結
4. 例
5. Localization flow
以上です.
よろしくお願いいたします.
名古屋大学大学院多元数理科学研究科
松尾 信一郎
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