[geometry-ml:04487] 大阪大学数学教室  高校生のための公開講座 のお知らせ

後藤竜司 goto @ math.sci.osaka-u.ac.jp
2021年 10月 15日 (金) 15:18:07 JST


関係者各位


大阪大学数学教室では、11月6日 高校生のための公開講座を開催いたします。

高校生のみならず、大学生、大学院生、研究者そして一般の方の参加も歓迎いたしますので、興味をお持ちの方にお伝え頂ければ幸いです。

参加希望の方は、ホームページにて、参加登録をお願い致します。
http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/koukai/

オンラインでの参加も可能です。


	• 日程:2021年11月6日(土)
	• 時間:入場開始13:00
   13:30〜15:00(糟谷先生)
   15:20〜16:50(桑垣先生)
	• 会場:大阪大学豊中キャンパス 理学研究科E棟 E404大セミナー室
   (満席の場合、サテライト会場E301にご案内します。)
	• 対象:高校生・一般
	• 講師:糟谷 久矢 先生(大阪大学理学研究科数学専攻)
	• 題目:現代幾何学への道--多様な世界の統一理解
	• 概要:無限に登り続ける階段が存在する! 三角形の内角の和は180度ではないかもしれない! 止まって見ても動いて見ても光の速さは変わらない! 世界の見方一つで幾何学が変わる。今まで習ってきた幾何学のアップデートが必要だ。内側と外側の区別がつかない容器“クラインのツボ”の設計者である天才数学者クラインは、23才の時に『エルランゲンプログラム』として新しい幾何学のあり方を提示した(当時、クラインは23才ですでにドイツのエルランゲン大学の教授だった)。クラインの考え方を参考にして、多様な幾何学の世界の理解の仕方を考えてみよう。




	• 講師:桑垣 樹 先生(大阪大学理学研究科数学専攻)
	• 題目:ホモロジー的ミラー対称性
	• 概要:1980年台後半から1990年台前半にかけて、物理学の弦理論の研究から、二つの異なる幾何学(複素幾何学、シンプレクティック幾何学)を結びつける予想群が発見されました。
この予想群をひとまとめにミラー対称性予想といいます。これはとても不思議な予想で、シンプレクティック幾何学で曲線の数を数えることと、複素幾何学で積分を計算することが結びついたりします。
1994年に、M. Kontsevichは、ホモロジー的ミラー対称性予想を提唱しました。これはミラー対称性予想群たちを単一の予想にまとめあげていると考えられており、重要な予想です。しかし、それだけではなく、それが生み出すさまざまな数学的思想・哲学は現在の数学に広範な影響をもたらしている、という意味でも偉い予想です。ホモロジー的ミラー対称性はとても難しい予想でまだまだ完全解決には遠いですが、20数年の間に少しずつ理解が進展しています。
今回の講座では、ホモロジー的ミラー対称性の簡単な例を通じて、この予想の面白さを体感してもらおうと思います。また、数学と物理がいかに関わり合いながら発展し、ミラー対称性に至ったかについても紹介する予定です。



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