[geometry-ml:03626] 清水雄貴氏@土曜セミナー
yoshi @ math.chuo-u.ac.jp
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2019年 2月 25日 (月) 20:15:35 JST
(重複して受け取られた際はご容赦ください)
皆様;
土曜トポロジーセミナーのお知らせです。
講演者:清水 雄貴氏(京都大学)
題目:Killing ベクトル場が生成する特異 Riemann 葉層構造から見た曲面上の流体力学
日時:2019年3月2日(土) 16:00-19:00
場所:東京工業大学(大岡山)理学部本館2階201号室
(正面から見て二階の左端奥)
梗概:
(Semi-) Riemann 多様体上の微分方程式の厳密解を用いた理論解析において,
空間に Killing ベクトル場の存在を仮定することは空間の次元を縮約し,
方程式を簡略化する方法として,一般相対論における厳密解の構成などを
例に広く用いられている.また Killing ベクトル場は Riemann 多様体上の流体方程式
である,Euler–Arnold 方程式や Navier–Stokes–Taylor 方程式の定常解であり,
一様流の一般化の一つでもあることから,流体力学的にも重要な数学的対象として
位置付けられる.
そこで本講演では,曲面に Killingベクトル場の存在を仮定することで,曲面上の
流体方程式の厳密解を用いた理論解析を行い,曲面上の流体運動が空間の幾何構造によってどのような影響を受けるかを考える.
Euler–Arnold 方程式は流れ場の体積保存微分同相群上の右不変計量の測地流として
定式化され,その力学系的性質を理解することは一般に難しい.こうしたなか流れ場の
次元が二次元である場合には,Euler–Arnold 方程式は軌道上で渦度が不変であることを
表す Kelvin–Helmholtz 恒等式に書き換えられるため,渦力学と呼ばれる,特徴的かつ
特異な渦度分布の時間発展を通じてその力学系的性質の一端を理解できる.なかでも
点渦力学系と呼ばれる,渦度分布がdelta関数の線型結合で与えられる場合には,
その時間発展方程式が流体力学的 Green 関数と呼ばれる,Laplace-Beltrami 作用素の
基本解とその正則化関数によって構成される有限次元 Hamilton 系で与えられる.
これを踏まえ本講演では,はじめに曲面上の点渦力学系に関して,点渦へ作用する
外力項付き Euler–Arnold 方程式の点渦弱解と一般化 Newton 法則による点渦力学系の
導出を中心に概説したのち,Killing ベクトル場が生成する特異 Riemann 葉層構造の
葉層座標であり,かつ Killing ベクトル場の不動点を除く領域全体で定義される
一意化座標を解析的に構成する.次に曲面上の点渦力学系に対する厳密解を用いた
理論解析を行う上で不可欠な流体力学的 Green 関数の解析表示を導出し,最後に
Killing ベクトル場と一様流のもう一つの一般化である potential ベクトル場の
流体力学的性質を曲面の形状の観点から考察する.
注意:本館のドア・出入り口は土曜日は基本的にすべて電子的にロックされています。
本館201号室真下のドアには15:55頃には中から迎えに行きます。
その他の方策については、三松宛メールごて連絡ください。
三松 佳彦
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Yoshihiko MITSUMATSU
Department of Mathematics,
Chuo University,
1-13-27, Kasuga, Bunkyo-ku, Tokyo,
112-8551, Japan
phone : +81-3-3817-1745
fax : +81-3-3817-1746
e-mail: yoshi @ math.chuo-u.ac.jp
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