[geometry-ml:03417] 第8回応用特異点論ラボ・セミナーのお知らせ
izumiya @ math.sci.hokudai.ac.jp
izumiya @ math.sci.hokudai.ac.jp
2018年 7月 14日 (土) 08:35:10 JST
幾何学分科会の皆様
第8回応用特異点論ラボ・セミナーを開催しますのでお知らせします。
応用特異点論ラボのウェッブページ
https://sites.google.com/site/appliedsingularitytheorylab
泉屋周一(北海道大学)
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第8回応用特異点論ラボ・セミナーのお知らせ
日時:2018年8月2日 16:30~18:00
場所:北海道大学・理学部3号館 3-210室
講演者:松江 要(九州大学IMI / I2CNER)
タイトル:力学系と精度保証付き数値計算、特異点論との接点を訪ねて
アビストラクト:微分方程式の解、あるいはそれが生成する力学系の解析は時に非常に複雑なものを含み、数値計算を援用した解析も多数展開されています。しかし、数値計算が非常に困難な対象や、真に捉えたい構造を捉
ているかが微妙な問題も数多くあります。他方で、考え得る数値計算における「誤差」を全て包含して数値計算を実行する「精度保証付き数値計算」が発展し、数値計算を援用した数学的に厳密な議論を可能しています。
近年、力学系分野において精度保証付き数値計算の応用が爆発的に増加し、数学的議論だけでは扱いが容易でない対象の「厳密な数値計算」の可能性が大きく広がっています。しかし、その多くはある意味で「正則」な対象
の適用、あるいは特異な構造の詳細がある程度想定されたものであると「決め打ち」して計算法を適用するものであり、特異な構造を伴うダイナミクスの包括的理解という視点からはまだ制約があるというのが現状です。
他方で、特異な構造はそのものが独立して現存しているのではなく、背後にあるより普遍な構造の一部であると解釈することで、数値計算の適用可能性は一気に上がると期待されます。その背後には普遍構造を記述するため
数学的議論があるとされ、それと素直に調和する数値計算法を構築することは単に数値計算を可能にするだけでなく、それを実現する数学的構造を見つめ直す機会にもなります。特に背後にある何かしらの普遍的構造を意識
ることは、枝葉末節な議論に陥ることを避けるための第一歩であると考えます。
本講演ではマルチスケールダイナミクスを記述するfast-slow系における近年の計算の話を例に、現状での精度保証付き数値計算の可能性と限界、その限界から見えてくる一つの包括的視点、特に特異点論との接点
ついて私見をお話いたします。
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