[geometry-ml:00738] 第5回数学連携サロン開催のご案内

ABE Ayako abe @ math.sci.hokudai.ac.jp
2008年 10月 28日 (火) 11:16:32 JST


各位

下記のとおり、大島伸行教授(北海道大学大学院工学研究科機械宇宙工学専攻)
を囲んで、第5回数学連携サロンを開催致しますので、ご案内申し上げます。
多数のみなさまのご参加をお待ちしております。

##ご案内が重複している方、どうぞご容赦願います。

          記

日時: 2008年11月10日(月) 10時〜
会場: 電子科学研究所1階会議室(札幌市北区北20条西10丁目)
http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/sympo/hokudai_ries.html
※電子科学研究所玄関はカードキーが無いと入ることができません。
 創成科学研究棟2Fと渡り廊下で接続されております。

講演者: 大島伸行教授(北海道大学大学院工学研究科機械宇宙工学専攻)

タイトル: 界面の数学的理解に基づく火炎モデルの再構築

アブストラクト:
 Level-set法は界面の移動変形をマクロ視点で表現する数学的手法として,
結晶成長や衝撃波伝播などの伝搬性をもつ不連続面やCT画像処理の数学
的記述など曲面数理研究の有力手段として工学的にも注目されている.これ
ら従来研究の多くでは界面が十分に薄くマクロ的に不連続なものとして扱って
いるが、界面厚さが分子運動スケールとなる気液界面や結晶面と異なり、燃
焼火炎面は厚さが温度(濃度)拡散スケールとなるため連続体近似のもとでも
解像しうる有限の大きさをもつ.ここでは,火炎面が有限厚さをもつとして
Level-set法の予混合火炎面への応用といえるflamelet近似のG-方程式に対
して修正式を提案し,これによってせん断効果や限界火炎半径などいくつかの
代表的な火炎物理現象の数学的記述を試みる.
 一方,phase field法は界面形成の過程を表現する数学的手法として、特に
固体相転移や気液界面に対して成功を収めている.系を支配する自由エネル
ギーの最小化の過程により界面が自己組織化されるという考え方は,一般に
ギブス自由エネルギーにより駆動されると理論付けられる化学反応流れにも
適用できることが示唆される.しかし,近似的に熱平衡状態を扱う固体相転移
や気液界面とは異なり、燃焼火炎面は明らかな熱非平衡状態にあり、これが
予混合火炎面の一定速度での伝播を生じている。よって、火炎面形成は熱的
非平衡の下での「流体力学的」平衡状態を表すものと考えられる。ここでは,
流体力学の観点を取り入れた phase field法の拡張により火炎モデルの定式化
を試みるに当たっての、いくつかの問題を提起したい.
 従来火炎に対する経験的モデルでは, 流体力学的記述(Level-set法的)定式
と熱力学的記述(phase field法的)定式が並立しているが,両者の間には物理
的解の類似性が明らかに見て取れる.これらの経験的な知見を一般化するこ
とで,phase field法とLevel-set法の相互関係が明らかなることを期待している.

連携サロンHP:
http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/center/activities/RCIMS_seminar.html.ja

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数学連携研究センター
http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/center/

問い合わせ先:
北海道大学数学連携研究センター 事務担当:平(ひら)
tsudaken-secretary@math.sci.hokudai.ac.jp / TEL・FAX 011-706-9450





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