[geometry-ml:04391] 神楽坂微分幾何学セミナー開催のお知らせ(第2報)
Naoyuki Koike
koike @ rs.tus.ac.jp
2021年 7月 18日 (日) 14:27:02 JST
幾何学分科会MLの皆様
先日ご案内させていただきました神楽坂微分幾何学セミナー(本年度2回目)の開催が
来週末土曜日に迫りましたので、改めてご案内させていただきます.
開催日時:2021年7月24日(土) 15:00 〜 17:15
開催方法:Zoomによるオンライン開催(事前に参加登録の必要有)
(参加登録につきましては,下記のホームページからお願いいたします。)
Kagurazaka-diffgeo-seminar.html (tus.ac.jp)<https://www.rs.kagu.tus.ac.jp/~koike/Kagu-diffgeo-seminar.html>
プログラム
・15:00〜16:00
講演者 : 濱中 翔太 (中央大学)
講演タイトル : スカラー曲率に関する各点及びある積分量が有界な閉多様体上のリッチフロー
講演アブストラクト:
この講演では、ある幾何学的な量が定義された(時間の)区間上で有界な閉多様体上の
リッチフローについてお話しする。リッチフローはHamiltonによって1982年に導入された幾何学的流で、それは
与えられた多様体上のリーマン計量をそのリッチ曲率の方向に変形するというものである。Hamiltonは更に、
与えられた閉多様体上の任意の計量に対してリッチフローの短時間解が一意的に存在することを示した。
そこで次の問いとしては、与えられた初期計量に対して、滑らかなリッチフローの最大時間の近くでの挙動が
どうなるかというものがある。Hamiltonは、有限の時間$T$が最大存在時間(滑らかなリッチフローとして伸ばすこと
のできる最大の時間)であることとそのフロー (M,g(t)) (t \in [0,T)) のリーマン曲率テンソルのノルムが
M × [0,T) 上で有界であることが同値であることを示した。他にも、リッチフローがある有限時間を越えて滑らかな
リッチフローとして拡張可能であるためのこのような十分条件は、例えば、リッチ曲率のノルムが M × [0,T) 上で
有界であること(Sesumによる結果)やある幾何学量の積分で表される量が有界であること(Wangによる結果)などが
知られている。更に、Di-Matteoは、このWangの結果を時間と空間の混合ノルムを用いた量に関するものへと拡張した。
この混合ノルムはパラメーター (α, β) ? (1, ∞) で表されるものである。
本講演では、このDi-Matteoの結果の特異な場合、特に次元が4で、(α, β) = (p, +∞) (p > 2)かつ (+∞, 1)
に対応する場合にについて拡張した意味でのリッチフローの拡張可能定理についてお話しする。また時間があれば、
M × [0,T) 上でスカラー曲率が有界であるという条件についてもお話ししたいと思う。
・16:15〜17:15
講演者 : 櫻井 陽平 (埼玉大学)
講演タイトル : 優Ricci流に沿う調和写像流に対するLiouville定理
講演アブストラクト:
本講演の内容は國川慶太氏(宇都宮大学)との共同研究に基づく.我々は以前,Perelmanの簡約幾何の観点から,
優Ricci流に沿う熱方程式の解に対するLiouville定理を示していた.今回,ターゲットの空間を一般化し,
調和写像流に対して拡張することに成功したのでそれを紹介する.我々のLiouville定理では調和写像流に対して
Perelmanの簡約距離に関する増大条件を課す.ターゲットの空間が非正曲率を持つ場合,その増大条件はシャープである.
一方,断面曲率が上から正の定数で押さえられている場合,それがシャープであるかは不明だが,時間が止まっている場合に
限定すると(すなわち調和写像を考えると),Ecker-Huiskenの手法を用いることでほぼシャープなものに改良できることが分かる.
ここではSchoen-Uhlenbeckにより構成された例が深く関わってくる.講演ではこの周辺の事情について詳しくお話ししたい.
世話人:
田中 真紀子(東京理科大学理工学部数学科)
佐古 彰史(東京理科大学理学部第二部数学科)
新田 泰文(東京理科大学理学部第二部数学科)
馬場 蔵人(東京理科大学理工学部数学科)
梶ヶ谷 徹(東京理科大学理学部第一部数学科)
斎藤 俊輔(東京理科大学理学部第一部数学科)
竹内 司 (東京理科大学理学部第二部数学科)
小池 直之(東京理科大学理学部第一部数学科)
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