[geometry-ml:02373] 明治大学幾何学セミナーのお知らせ
吉田尚彦
takahiko @ meiji.ac.jp
2015年 6月 1日 (月) 18:30:02 JST
皆様
今年度第一回目の明治大学幾何学セミナーを以下の要領で開催致しますのでお知らせ致します.
日程:2015年6月25日(木)16:30-18:00
場所:第二校舎6号館6706
講演者:國川 慶太氏(東北大学)
講演題目:一般余次元平均曲率流のトランスレーティングソリトン
概要:一般に,平均曲率流は有限時間で特異点を持つ.特異点はその第二基本形式のノルムの発散の仕方でタイプIとタイプIIに分類されている.これらの特異点を調べるためには特異点周辺でスケール変換を施した後に現れるモデルとなる部分多様体を調べることが有効である.タイプI特異点のモデルは自己縮小解と呼ばれ,球面や円柱などを代表例にもつ.一方でタイプII特異点のモデルとなっているのが本講演の主題であるトランスレーティングソリトンである.トランスレーティングソリトンは平均曲率流のもとで,
形を変えず定速で平行移動する特殊な解でもある.
超曲面の場合の平均曲率流の研究は1984年のHuiskenによる仕事以来盛んに行われてきた. ラグランジュ平均曲率流など,
余次元の高い状況での研究も重要であるが, 超曲面の場合に比べて未解明のことが多い. 特に, 一般余次元トランスレーティングソリトンの研究は自己縮小解に比
べてもほとんど進められていない.
本講演では, まず一般余次元トランスレーティングソリトンに関する非存在定理であるベルンシュタイン型定理を述べる.続いて非自明なトランスレーティングソリトンを大量に構成する方法を説明する.
これは超曲面の場合とは著しく異なる状況であり, 余次元が高くなった場合の特徴である. 最後に,一般余次元の完備なトランスレーティングソリトンがある
条件下で1次元のトランスレーティングソリトンと極小部分多様体に分裂することを説明する. 講演では証明の詳細よりも,具体例をたくさん紹介することで直感
的に理解していただける内容にする予定である.
興味を持たれそうな方に周知してくださいますと幸いです.皆様のご参加をお待ちしております.
幾何セミナーのホームページ:
http://www.isc.meiji.ac.jp/~takahiko/GeometrySeminar/index.html
吉田尚彦
明治大学理工学部数学科
Takahiko Yoshida
Department of Mathematics
School of Science and Technology
Meiji University
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