[geometry-ml:02358] 幾何と解析セミナー(第 6 回と第 7 回)のご案内

Junya Takahashi t-junya @ math.is.tohoku.ac.jp
2015年 5月 14日 (木) 21:24:31 JST


皆様

幾何と解析セミナー(第6回と第7回)を
次の要領で開催しますので,ご案内申し上げます。

第6回
題名:Kirchhoff 方程式の Gevrey 級解
講師:松山 登喜夫 氏(中央大学)
日時:2015年6月5日(金)13:00 から
場所:東北大学大学院情報科学研究科 6階小講義室

要旨:本講演ではKirchhoff方程式の時間大域的なGevrey級解の存在
について解説する。Kirchhoff方程式は、 主要部に未知関数の$L^2$
ノルムが掛かった準線形2階双曲型偏微分方程式であり、弦の横方向
の振動が縦方向より非常に大きい場合に近似された運動方程式として、
1883年に G. Kirchhoff が提唱した。Kirchhoff 以来57年の年月を
経て1940年に S. Bernstein が実解析解の存在を証明し、35年後の
1975年、Pohozhaev が一般次元にBernsteinの結果を拡張した。
Gevrey 族は実解析的クラスと $H^\infty$ クラスの間にあるクラス
であるが、Kirchhoff 方程式の Gevrey 可解性は未だに解かれていなかった。
なお、初期値のSobolevノルムが十分小さい時はいくつか結果がある。
証明の鍵は、時間に依存する係数をもつ線形双曲型偏微分方程式の
解のエネルギー不等式とKirchhoff方程式の局所解の寿命に関する
上からの評価である。証明は背理法で遂行する。

本講演は、Michael Ruzhansky氏 (Imperial College London)との
共同研究に基づいている。


第7回
題名:L^p-mapping properties for Schrodinger operators in open
 sets of R^d
講師:谷口 晃一 氏(中央大学)
日時:2015年6月6日(土)10:00 から
場所:東北大学大学院情報科学研究科 6階小講義室

要旨:講演では, シュレディンガー作用素の関数の$L^p$空間における有界性
について解説する. シュレディンガー作用素$H$が自己共役であるとき,
スペクトル分解定理を用いてシュレディンガー作用素の関数$f(H)$を$L^2$
空間上の作用素として定義できる. さらに関数$f$が有界ならば, 作用素の
関数$f(H)$は$L^2$空間上で有界である. しかし, $L^p$空間 ($p \neq 2$) 上
で有界になるか否かは自明ではない. シュレディンガー作用素の関数$f(H)$の
$L^p$有界性については, 全空間では既に研究されており, 関数空間論や
偏微分方程式に応用されている. 本講演では, 開集合上で定義されたシュレ
ディンガー作用素に対して, 作用素の関数$f(H)$の$L^p$有界性を考える.
ポテンシャルは加藤型ポテンシャルを扱う.

本講演は, 松山登喜夫氏 (中央大学) と岩渕司氏 (大阪市立大学) との
共同研究に基づいている.


次のページもご参照下さい。
 http://www.math.is.tohoku.ac.jp/~gaseminar/

幾何と解析セミナー世話人:
 坂口茂,  高橋淳也,正宗淳(東北大情報 RCPAM)

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東北大学大学院情報科学研究科数学教室
 高橋淳也
 t-junya @ math.is.tohoku.ac.jp






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