[geometry-ml:02285] OCAMI 松下泰雄先生連続講義&数学物理合同特別セミナー

ohnita ohnita @ sci.osaka-cu.ac.jp
2015年 2月 18日 (水) 13:55:58 JST


皆様

明日になりますが、
OCAMI数学院生談話会特別企画
松下泰雄先生連続講義と数学物理合同特別セミナー
を以下のように開催しますので、ご案内申し上げます。

日程:2015年2月19日(木)-21日(土)
場所:大阪市立大学理学研究科 理学部F棟2階 F215室
URL:
http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/math/OCAMI/index.html
http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/math/OCAMI/Program150219.pdf

ご関心のある方は、奮ってご参加ください。

尚、今回の企画は、松下先生,中田氏、鎌田氏の著作「4次元微分幾何学への
招待」(サイエンス社)出版の機会に開催するものです

大仁田義裕
〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138
大阪市立大学理学研究科数学教室
大阪市立大学数学研究所(OCAMI)

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●松下泰雄先生(OCAMI,滋賀県立大学名誉教授)連続講義
2015年2月19日(木)
午前:10:40〜12:10(1)
午後:13:30〜15:00(2)
2月20日(金)午前10:30〜12:00(3)
タイトル:
  「4次元(++−−)指標のニュートラル計量の存在条件について」
アブストラクト:
 まず,4次元ニュートラル計量の問題にたどり着くまでのことをイントロとし
ます。不定計量の存在条件がトポロジーに関わっていることに気がつき,ス
ティーンロッドの不定値計量の存在条件(1951),ヒルツェブルフ・ホッフの2次
元平面場の存在条件(1958)を知り,その後ローソンと出会ってドナルドソンの
業績(1983)を知り,それらを読み解いていった結果,ニュートラル計量の存在条
件を得ることができました(1988,1993)。 特に大きな収穫は,4次元ニュートラ
ル計量の存在条件が,2種類の概複素構造の存在条件と同値であることを示せた
ことでした。それによって,さらに展望が開けてきました。数学そのものの内容
もさることながら,人との出会いによる大切さを伝えたいと思います。


●数学物理合同特別セミナー
講演者:松下泰雄(OCAMI,滋賀県立大学名誉教授),鎌田博行(宮城教育
大学 数学教育講座),中田文憲(福島大学 人間発達文化学類文化探究専攻 数
理・情報学系),濱野佐知子(福島大学 人間発達文化学類文化探究専攻 数理・
情報学系),山口博史 (滋賀大学名誉教授),安井幸則(大阪市立大学,物理)
2015年2月20日(金)
14:10〜15:10 松下泰雄
15:20〜16:20 濱野佐知子
16:30〜17:30 山口博史
2月21日(土)
9:10〜10:10 鎌田博行
10:20〜11:20 中田文憲
11:30〜12:30 安井幸則

[アブストラクト]

松下泰雄先生(OCAMI、滋賀県立大学名誉教授)
講演タイトル「拡張ミンコフスキー空間での時間」
アブストラクト:
  ニュートラル計量は、相対論の立場から見たとき1次元的時間が2次元的な
時間になったのか,ローレンツ計量における時間をおさらいしながら、むしろ物
理の観点からのトピックスを取り上げてみたいと思っています。そこで、ローレ
ンツ計量がなぜ物理にとって好ましいのかという独断も織りまぜさせていただき
ます。

濱野佐知子先生(福島大学 人間発達文化学類文化探究専攻 数理・情報学系)
タイトル:「主関数の変分公式とその応用について」
アブストラクト:
 一変数関数論における多重連結領域の等角写像、ポテンシャル論における各主
関数のディリクレ・ノイマン問題、および、多変数関数論的変動である擬凸性に
関する結果を紹介する。開リーマン面が複素パラメータt と共に関数論的に歪曲
しながら変動するとき、各リーマン面の等角写像に関連したモジュール
(Schifferスパン、調和スパン)の動きを t の2階変分を用いて明記した。これ
らは変動の擬凸性を反映することを利用し、2つのスパンが誘導する計量の幾何
学的性質について述べる。
山口博史先生 (滋賀大学名誉教授)
タイトル:“Hyperbolic span and pseudoconvexity”
アブストラクト:
The planar open Riemann surface $R$ admits the Schiffer span
$s(R,\zeta)$ with respect to a point $\zeta\in R$. M.\,Shiba showed that
the open Riemann surface $R$ of genus one admits the hyperbolic span
$\sigma_H(R)$. We establish the variation formula
of $\sigma_H(t):=\sigma_H(R(t))$ for the deforming open Riemann surface
$R(t)$ of genus one with complex parameter $t$ in a disk $\Delta$ of
center $0$. This formula implies the following intimate relation
between the hyperbolic span and the pseudoconvexity:
If the total space $\mathcal R=\cup_{t\in \Delta}(t, R(t))$ is a
two-dimensional Stein manifold, then $\sigma_H(t)$ is subharmonic on
$\Delta$. Further, $\sigma_H(t)$ is harmonic on $\Delta$ if and only if
 $\mathcal R$ is biholomorphic to the product $\Delta\times R(0).$

鎌田博行先生(宮城教育大学 数学教育講座)
タイトル:「コンパクト複素曲面上の自己双対ニュートラル計量について」
アブストラクト:正定値の場合, 複素曲面上のスカラー平坦ケーラー構造や超エ
ルミート構造は, どちらも適合する計量が(適当な向きに関して)自己双対計量
を与える。本講演では, こうした計量のニュートラル版に対する存在・非存在に
ついて、知られている結果や例の幾つかを、底空間がコンパクトな場合に紹介する。

中田文憲先生(福島大学 人間発達文化学類文化探究専攻 数理・情報学系)
タイトル:「複素・正定値・ニュートラルのツイスター対応」
アブストラクト:ツイスター対応は、非線形な重力場を構成する方法としてペン
ローズによって考案された. ペンローズの理論は複素のカテゴリーで展開される
が, その後アティヤ・ヒッチン・シンガーによってリーマン幾何のバージョン
が, さらにルブラン・メイソンによってニュートラル計量のバージョンが確立さ
れている. 本講演では, これら3種類のツイスター対応(複素・正定値・ニュー
トラル)が, どれも基本的に同じアイデアに基づいたものであるが, それぞれに
個性的なフレイバーを持つことを比較して紹介する.

安井幸則先生(大阪市立大学,物理)
タイトル:「時空の対称性を数える」
アブストラクト:本講演では,時空のキリング-矢野対称性に関する最近の発展
を話したいと思います.キリング-矢野方程式の延長 (prolongation),解空間
の次元,ブラックホール時空でのMathematicaによる具体的な計算について紹介
する予定です.詳細 は宝利剛君との共著論文“A simple test for spacetime
symmetry”arXiv:1410.1023 を参照してください。





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