[geometry-ml:01970] 訂正: Seminar on Geometric representation theory and Quantum integrable system at Komaba

Iwao Shinsuke iwao @ gem.aoyama.ac.jp
2014年 1月 17日 (金) 21:01:31 JST


   皆さま
(複数のMLに投稿しております。重複して受信された方は申し訳ありません。)

本日お送りしたセミナーのお知らせに間違いがありました。
お詫びして、訂正いたします。

(誤) 2014年2月25日(土) → (正) 2014年2月15日(土)

セミナーURL : https://sites.google.com/site/seminaratkomaba/home

岩尾慎介
青山学院理工
iwao @ gem.aoyama.ac.jp
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※第9回駒場幾何学的表現論と量子可積分系のセミナー

講演者:黒木玄 氏(東北大学)
日時:2014年2月15日(土)14:00〜17:00
場所:東京大学大学院数理科学研究科 002号室
講演題目:パンルヴェ系のτ函数の量子化について

内容の要約:
対称化可能一般Cartan行列に付随するWeyl群双有理作用とそのτ函数の量子化を構成する.
ここで「量子化」は「正準量子化」の意味である。
すなわち古典の場合のPoisson括弧を古典極限に持つような非可換な設定で
Weyl群双有理作用とτ函数を量子化する.
実際には古典の場合にτ函数のPoisson括弧が定義されていなかったので、
古典の場合のτ函数を含めた適切なPoisson構造を見付けるという問題も
同時に解いていることになる.

古典の場合も量子の場合もτ函数はτ変数へのWeyl群双有理作用の結果として定義される.
量子の場合にはτ変数を含む代数の適切な非可換性を発見しなければいけなかった.
基本ウェイトに対応するτ変数は余ルート(パラメーター変数とみなされる)の正準共役の
指数函数(パラメーター変数を1ずらす差分作用素)であるというのが正しい解答であった.

Weyl群の作用はChevalley生成元(パンルヴェ系の従属変数とみなされる)
のパラメーター変数べきの作用で自然に定義される.
作用がWeyl群の関係式を満たすことは表現論的にはVerma関係式そのものである.

以上のようにして量子化されたτ函数が古典の場合と同様に正則性を持つかどうか
が最初の問題になった.  以上の設定では量子τ函数が従属変数の多項式になると
いう結果を示すことが問題である.

古典の場合のτ函数の正則性は本質的にソリトンの佐藤理論から得られる.
可換な場合には行列式はその成分の多項式になることから、
古典τ函数の多項式性が導かれる.

この結果の量子版の証明は本質的に古典の場合と異なる.
表現論における平行移動函手(translation functor)の理論から
量子τ函数の正則性が導かれる.
この証明法では基本ウェイトに対応するτ変数が
実は基本ウェイトを最高ウェイトに持つ可積分表現による平行移動函手
の「影」の一つに見えて来ることになる.

詳しくは次のプレプリントを見て下さい。
http://arxiv.org/abs/1206.3419




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