[geometry-ml:01215] IPMU Lectures in Komaba

Akishi Kato akishi @ ms.u-tokyo.ac.jp
2011年 2月 4日 (金) 13:28:33 JST


メーリングリストの皆様:

4月より東大駒場で土屋昭博先生の講義が行われます。
御来聴を歓迎します。

IPMU Lectures in Komaba

題:共形場理論と量子群
担当者:土屋昭博(IPMU)
開講日時:毎週金曜日 13:00〜14:30
講義室:東京大学数理科学研究科 002 号室
開講日:2011年4月8日

内容:共形場理論は、1次元複素多様体上の場の量子論である。
共形場理論における最も重要な概念は、
(1) 場の作用素達の間の局所性と作用素積展開
(2) 場の作用素達の運動を記述する場の作用素である
    エネルギー・モーメント作用素の存在
である。
  一般の1次元複素多様体上で共形場理論を展開する一つの方法は、
まず局所モデルとして1次元 punctured disk $D^x$ 上で理論を展開
し、それを Adele の方法を使ってはりあわせることである。この局所
モデルのことを Vertex Operator Algebra (V.O.A.) と呼んだり、
Chiral Algebra と呼んだりする。
  この講義では、V.O.A. の例と定義を簡単に復習した後、A.D.E. 型
単純リー環 g と互いに素な正の整数 $(p_+, p_-)$ に付随して
V.O.A. $M_{p_+, p_-}(g)$ を定義し、その Modules のつくる Abel
圏の構造を完全に決定する。
  $M_{p_+, p_-}(g)$ は、格子頂点作用素代数と 2r 個 (r = rank g)
の Screening 作用素を使って定義される。
  Screening 作用素達は、互いに Local でないので、Screening 作
用素達の生成する Operators Algebra の性質を記述するためには、
1次元 disk D 上の 2r 個の色で色付けされた配置空間上で Local
System や Perverse Sheves を係数とする場の作用素達を扱う必要が
ある。
  これらは、Perverse Sheves を係数とする色付き配置空間上の
Algebra を生成し、その表現は braided tensor category をつくる。
この圏は、1の巾根における量子群の有限次元表現のつくる braided
tensor category と braided tensor 同値である。(Factorizable
Sheaves の理論)
  これらの概念を我々の Version で厳密に展開することにより、
abel 圏 $M_{p_+, p_-}(g)$-mod の性質が完全に明らかにされる。

参考書:
・共形場理論入門、山田泰彦著、培風館
・Vertex Algebras and Algebraic Curves, by E. Frenkel and
 D. Ben-Zvi, American Mathematical Sciety
・Factorizable Sheaves and Quantum Groups, by R. Bezrukavnikov,
 M. Finkelberg and V. Schechtman, Springer
・Axioms for a vertex algebra and the locality of quantum
 fields, by A. Matsuo and K. Nagatomo, Math. Soc. Japan

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連絡先: 加藤晃史@東京大学数理科学研究科





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