[geometry-ml:00485] 講演会のお知らせ
nayatani
nayatani @ math.nagoya-u.ac.jp
2007年 1月 23日 (火) 11:21:52 JST
皆様
下記の講演がありますので、お知らせいたします。
ご来聴をお待ちしております。
納谷
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講演会のお知らせ
タイトル 不連続群論の話題から
講演者 小林 俊行(京都大学数理解析研究所)
日時 2007年1月29日(月)14:45―16:15
場所 名古屋大学多元数理科学研究科 理1号館552号室
アブストラクト
リーマン多様体の場合と異なり、ローレンツ空間のように正定値とは
限らない“計量”をもつ一般の空間においては、離散群の等長変換は必
ずしも固有不連続になりません。
この講演では、今週、名古屋大学で行う予定の集中講義のイントロダ
クションを兼ねて、リーマン多様体の枠組みを越えると不連続群にどの
ような現象が生じるかを説明しながら「等質空間における不連続群論」
という新しい領域の紹介をしたいと思います。
例えば、SL(n)/SL(m) (m>m)という特定の等質空間のコンパク
ト形の存在問題をアタックするために、90年代から、等質空間の構造
論、離散群、エルゴード理論、リー群のユニタリ表現論などの種々の分
野からの手法が開発されてきました。この例や、定曲率という局所的な
性質が大域的な形をどのように決めるかという例を最初に取り上げ、不
定計量に関わる不連続群論で、現在何がわかっており、どんな予想があ
り、また、何が未解決であるかについて紹介し、私が何を目指している
のかを解説しようと思います。
さて、上記の幾何的な問題をリー群論の枠組みで考えると、リー群
G の非コンパクトな部分群 H による等質空間 G/H が与え
られたとき、リー群 G の離散部分群の G/H への自然な作
用が「いつ固有不連続になるか」を決定するのが根本的な問題になりま
す。この問題を取り扱うために、群論の観点から、「不連続双対」など
の基本的な概念を導入し、“不連続双対定理”や“不連続性の判定条
件”がどのように定式化・証明できるかを紹介します。
最後に、コンパクト形の存在問題や、Calabi と
Markus によって発見された「ローレンツ空間形は常に非コンパクトで
あり、その基本群は必ず有限である」という現象がどのように一般化さ
れるか、不連続群の変形問題などについても触れる予定です。なお、集
中講義では、思想的に共通する「ユニタリ表現の離散的分岐則」のモ
ジュラー多様体への応用といった、不連続群と関連のある話題もとりあ
げたいと考えています。
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