[geometry-ml:00131] coe lecture series

Kazuko KOZAKI kozaki @ math.nagoya-u.ac.jp
2003年 8月 28日 (木) 13:07:56 JST


  ーー COEレクチャーシリーズのお知らせ ーー

 COE計画「等式が生む数学の新概念」
 (名古屋大学大学院多元数理科学研究科、リーダー:宇澤 達)
 の事業の一環として次の要領でCOE レクチャーを開催します。

 題:  「幾何学と行列積分」

 講師: 村瀬 元彦氏 (カリフォルニア大、デイヴィス校)

 日時: 2003年9月8日(月) 15:00〜17:00
           9月9日(火)  10:00〜12:00, 15:00〜17:00
           9月10日(水)10:00〜12:00, 15:00〜17:00

 場所: 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 
     理1号館552号室


 概要:

行列積分は1960年代に物理学者ウィグナーによって原子番号
の大きな原子核のエネルギー準位を調べる方法として導入された。
その解析的研究はダイソンやメータの初期の仕事を経て近年爆発
的流行を見たトレーシー・ウィダム確率分布関数の発見に至る連
綿とした流れを持っている。最近ではリーマンゼータ関数の零点
分布とのつながりから表現論・整数論との関連も明らかになって
きた。一方行列積分と幾何学との関連は積分の漸近展開が曲面の
幾何の和になっていることに由来している。ウィッテン、コンツ
ェヴィッチ等に始まるストリング理論への応用もここに一つのき
っかけがある。この集中講義では行列積分論の歴史と最近の解析
的・確率論的発展を概観したあと、ファインマン図形による漸近
級数展開を詳述する。その応用としてランダム置換の確率論的性
質をオクーンコフに従って導き、さらに曲面の基本群の表現に関
する量を与える古典的公式の新しい証明を与える。時間が許せば
ごく最近の3次元トポロジーとの繋がりも論ずる。集中講義全体
を通して、思いがけない「等式」がいかにして数学の深い情報を
明らかにしてくれるかを浮き彫りにしたい。

連絡先:
内容についての質問は土屋昭博 (tsuchiya @ math.nagoya-u.ac.jp)まで。
また、講義出席のための旅費、滞在費の補助を希望の方は
coe-support @ math.nagoya-u.ac.jpまで。
ただし、必ずしも希望に沿えないことがあります。






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